ULファニーパック・ウエストバッグの選び方|容量・重量・素材で比較
Share
ファニーパックやウエストバッグは、バックパックを下ろさずに行動中の小物へ手が届くようにする道具です。ただ、同じ2Lクラスでも当店実測65.0gのモデルから119.1gのモデルまで重さにはほぼ2倍の開きがあり、構造や得意な使い方も大きく異なります。この記事では、当店で取り扱うHigh Tail Designs・ULA Equipment・ZimmerBuilt・LITEWAYのファニーパック/ウエストバッグ5モデルを、容量・重量・素材・装着方式という同じ物差しで比較し、使い方別の選び分けを解説します。
先に結論
- バックパックのヒップベルトに付けて、行動中の小物を前に集めたい → 1L・当店実測55.4gのHigh Tail Designs「The Ultralight Fanny Pack」
- 日帰りハイクをこれひとつで完結させたい → 2L・当店実測65.0gの「The Ultralight Fanny Pack v1.5」
- 小物を仕切って整理したい・バックパックと色や素材を揃えたい → ULA Equipment「Spare Tire」
- フライフィッシングなど、ツールを外側にぶら下げる使い方をしたい → ZimmerBuilt「Darter Pack」
- 外ポケットと内部のメッシュポケットで小物の定位置を決めたい・下山後は斜めがけでも使いたい → LITEWAY「FANNY PACK」
ファニーパックの使いどころは3つ
ウルトラライト系のファニーパックには、大きく3通りの使い方があります。1つめは、バックパックのヒップベルトやショルダーストラップに装着する使い方です。スマートフォン・行動食・地図など行動中に何度も取り出すものを、パックを下ろさずに出せる位置へ集められます。2つめは、単体でウエストに巻く使い方です。日帰りハイクやテント場での移動なら、これだけで荷物が完結することもあります。3つめは、ストラップを長く伸ばしてたすき掛けにする使い方で、サコッシュのように使えます。
どの使い方を主にするかで、選ぶべきモデルは変わります。ヒップベルト装着が主なら小さく軽いものが快適ですし、単体で完結させるなら容量に余裕が必要です。
選び方の軸は「容量・重量・素材・装着方式」
容量は1Lと2Lで役割がはっきり分かれます。1Lはスマートフォン・行動食・リップ・鍵といった「行動中に触るものだけ」を入れるサイズ。2Lになると500mlボトルやウインドシェルまで収まり、小さな山行ならこれひとつで完結します。
重量は当店実測51.6gから133.3gまで幅がありますが、軽いほど良いとは限りません。重いモデルはその分、内部の仕切りや外部ポケットといった「整理のための構造」を持っています。素材は、超高分子量ポリエチレン繊維を使った高強度生地(TX95・UltraGrid・ULTRA 200X)のほか、420D Robicナイロン、リサイクルポリエステルのECOPAK EPX200と銘柄が分かれます。装着方式は、ベルトの着脱可否やヒップベルトポケットとして使えるかどうかに差が出ます。
取扱5モデルの比較表
| モデル | 容量 | 重量 | 素材 | 装着方式 |
|---|---|---|---|---|
| High Tail Designs The Ultralight Fanny Pack | 1L | 当店実測55.4g | Challenge Sailcloth TX95 | ヒップベルト装着/ウエスト/たすき掛け |
| High Tail Designs The Ultralight Fanny Pack v1.5 | 2L | 当店実測65.0g | Challenge Sailcloth TX95 | ヒップベルト装着/ウエスト/たすき掛け |
| ULA Equipment Spare Tire | 2L | 実測133.3g(Robic)/実測119.1g(Ultra) | 420D Robic Nylon/ULTRA 200X | ウエスト/ヒップベルトの上から装着 |
| ZimmerBuilt Darter Pack | — | 74g(ベルト込み) | Challenge Sailcloth UltraGrid | たすき掛け/ウエスト/ヒップベルトポケット化 |
| LITEWAY FANNY PACK | — | 実測120.1g(ウエストベルト込み) | ECOPAK EPX200 | ウエスト/たすき掛け |
High Tail Designs の2モデルには、同じ寸法・同じ縫製でダイニーマ・ハイブリッド生地を使った仕様もあります。当店実測は1L版が51.6g、2L版が59.8gで、TX95仕様よりそれぞれ3.8g・5.2g軽くなります。
※重量はメーカー公称値。Spare TireとLITEWAY FANNY PACKは当店で実際に計量した実測値を掲載しています(LITEWAY FANNY PACKはウエストベルト込み)。容量の「—」は公称値の記載がないモデルです。
1Lか2Lか。The Ultralight Fanny Packとv1.5の違い

High Tail Designsは米国ペンシルベニア州フィラデルフィアのガレージブランドで、昇華プリントの柄で知られます。当店では1Lの初代The Ultralight Fanny Packと、2Lのv1.5の両方を取り扱っており、この2つの違いがそのまま「1Lか2Lか」の選び分けになります。
初代は当店実測55.4g・1L。スマートフォン・行動食・リップ・鍵といった行動中に触るものだけを入れる、必要最小限のサイズです。バックパックのヒップベルトに装着してちょうど収まる大きさで、装着したまま歩いても存在を忘れる軽さが持ち味です。

v1.5は当店実測65.0g・2L。容量が倍になっただけでなく、外側にスマートフォン用のクイックアクセスポケットが付き、ジッパーを開けずに出し入れできるようになりました。内部の現金・IDポケットは開口部の上側に移り、荷物を詰めた状態でもジッパーを閉じやすくなっています。500mlボトルやウインドシェルまで入るので、日帰りハイクならこれひとつで完結します。
生地はどちらも同じChallenge Sailcloth TX95。高強度ポリエステルのトリプルリップストップにPETフィルムをラミネートし、超高分子量ポリエチレン繊維を45度方向に配置した3層構造で、DCF(Dyneema Composite Fabric)に匹敵する強度を持ちながら経年収縮に強いのが特徴です。DCFという素材自体については「ダイニーマ素材とは?実際に使って気づいたメリット・デメリット完全ガイド【UL初心者〜中級者向け】」で詳しく解説しています。全縫い目のシームテープ処理と#5 YKK Uretek止水ジッパーによる防水性は両モデル共通です。
迷ったら「ウインドシェルを入れたいか」で決めるのがわかりやすい基準です。入れたいならv1.5、入れないなら初代の軽さが活きます。
整理力で選ぶならULA Equipment Spare Tire

Spare Tireは同じ2LクラスでもHigh Tail Designsとは設計思想が異なります。メインコンパートメントにUltraStretchメッシュの仕切り、前面にジッパー付きポケット、背面にもメッシュポケットを備え、荷物を分けて収納できる「整理のための構造」を持っています。その分、重量は当店実測でRobic版133.3g・Ultra版119.1gと、v1.5のほぼ2倍です。
この差をどう捉えるかがポイントです。1つの空間に放り込む使い方で足りるなら軽いv1.5が合理的ですし、財布・鍵・行動食・スマートフォンを定位置で管理したいならSpare Tireの構造に価値があります。ウェビングベルトは着脱・長さ調節が可能で、単体でウエストに巻くほか、バックパックのヒップベルトの上から装着するサブバッグとしても使えます。
素材はカラーバリエーション豊富な420D Robic Nylonと、より軽く耐水性の高いULTRA 200Xの2種類。ULAのバックパックと同じ生地なので、パックと素材や色を揃えられるのはULAユーザーならではの楽しみです。2つの生地の違いは「ULTRAとRobic、軽いのはどっち?ULAバックパックの生地をモデル別に比較」で詳しく比較しています。
ツールをぶら下げるならZimmerBuilt Darter Pack
Darter Packはフライフィッシャーのために設計されたクロスボディ&ウエストパックです。上部のフライパッチ、ニッパーやフォーセップをクリップできるデイジーチェーン、細長いアクセサリーを固定するバンジーコードと、道具を外側に取り付けるための装備が最初から揃っています。素材は高強度のChallenge Sailcloth UltraGridで、ベルト込み74gに収まっています。
ベルトを取り外して、1インチウェビングベルトを使う大型バックパックのヒップベルトポケットとして装着できるのも特徴です。釣りに限らず、カメラのアクセサリーや補修用具など「ぶら下げて管理したい道具」が多い人に向いています。
ポケットで定位置を決めるならLITEWAY FANNY PACK

LITEWAY FANNY PACKは、外側にジッパー付きポケットが1つ、メインポケットの内部にジッパー付きメッシュポケットが1つ、左右に小さなストレッチメッシュポケットが2つという構成です。「とりあえず全部放り込む」のではなく、鍵・リップクリーム・モバイルバッテリーといった小物の定位置を決めて使いたい人に向いています。ジッパーはYKK Aquagardで、重量はウエストベルト込みで当店実測120.1gです。
生地はECOPAK EPX200。ULTRA 200の開発で知られるChallenge Outdoor社の素材で、ペットボトルを再利用した100%リサイクルポリエステルにCrossPlyをラミネートした、X-PACとよく似た構造の生地です。ポリエステルはナイロンに比べてわずかに重いものの、湿気を吸いにくく、耐紫外線性と色保持性に優れます。ウエストバッグとしてもショルダーバッグとしても使えるので、山ではウエストに巻き、下山後の街歩きでは斜めがけにする、という使い分けができます。
腰ではなく肩から提げる選択肢もある
ファニーパックを腰に巻くと、バックパックのヒップベルトと位置が重なって干渉することがあります。荷重をしっかり腰で受けるパックと併用するなら、肩から提げるサコッシュのほうが相性の良い場合もあります。
当店で取り扱うRIDGE MOUNTAIN GEAR Sacocheは約54gで、左右どちらからでも開けられるダブルファスナーが特徴です。体の前に回した状態でも肩に掛けたままでも中身を取り出せるので、行動中の使い勝手はファニーパックのたすき掛けに近い感覚です。腰か肩か迷ったら、ヒップベルトのあるパックと併用するかどうかで判断するとよいでしょう。
まとめ:3つの質問で絞り込む
最後に、選び方を3つの質問に整理します。
- 何を入れるか。スマートフォンと行動食だけなら1L(The Ultralight Fanny Pack)、ボトルやウインドシェルまで入れたいなら2L(v1.5・Spare Tire)。
- 軽さと整理力のどちらを取るか。1つの空間で足りるならHigh Tail Designsの軽さ、定位置管理したいならSpare Tireの仕切りかLITEWAY FANNY PACKのポケット。ツールを外付けするならDarter Pack。
- ウエストかななめがけか。ヒップベルトで支えるバックパックと併用するなら、サコッシュも選択肢に入ります。
ファニーパック・ウエストバッグの在庫は「ウエストバッグ・ウエストポーチ・ファニーパック一覧」からご覧いただけます。バックパック本体の選び方は「ウルトラライトバックパックの選び方|16L〜68Lを重量・フレーム・積載量で比べる」で解説していますので、あわせてどうぞ。