Zpacks Inflatable PillowとEE Cloud 9の違い|ULピロー3型を実測重量で比較 - 山道具とULギアのお店 Ascend Lite

Zpacks Inflatable PillowとEE Cloud 9の違い|ULピロー3型を実測重量で比較

ULのパッキングで最初に削られるのが枕です。衣類を丸めれば枕になる、という考え方は筋が通っていますが、防寒着を着て寝る冷え込んだ夜には丸める衣類がなくなります。当店で扱う空気注入式のピローは、Zpacks Inflatable Pillowが当店実測45.6g(アタッチメントコード込み)、Enlightened Equipment Cloud 9 UL Pillowが当店実測101.3g(着脱式ショックコード込み)で、衣類を詰めて枕にするZpacks Medium Pillow Dry Bagは当店実測32.7gです。この重量帯なら「持つかどうか」より「どの方式にするか」で考えたほうが、眠りの質が変わると思います。

この記事では、この3型を同じ条件の数値で並べ、Zpacks Inflatable PillowとCloud 9という2つのエアーピローの違いを中心に、どれを選ぶかの考え方をまとめます。数値はすべて各商品ページのものです。

先に結論

  • ピローは「枕の高さを何で決めるか」で選びます。空気で決めるならZpacks Inflatable PillowかCloud 9、詰める衣類の量で決めるならMedium Pillow Dry Bagです。
  • エアーピロー2つの違いは、軽さのZpacks Inflatable Pillow(当店実測45.6g・ポリエステル)と、肌当たりと滑りにくさのCloud 9(当店実測101.3g・TPU+シリコンビーズ面)です。まず1つ試すなら軽いほう、寒い時期の眠りを優先するならCloud 9がよさそうです。
  • 専用ピローを持ちたくない方には、日中はDCFのドライバッグ、夜は裏返してフリース面の枕になるMedium Pillow Dry Bagがあります。ただし高さは詰める衣類の量で決まります。
  • 3型ともスリーピングパッド(マット)に固定するコードが付いています。寝返りで枕が逃げる問題は、どれを選んでも対処できます。

選び方の軸

高さを空気で決めるか、衣類の量で決めるか

エアーピローは空気の量で高さと硬さを決めます。バルブを少し開けて抜くだけで調整できるので、寝てから合わせ直せるのが利点です。一方、衣類を詰めるタイプは、詰める量で高さが決まります。寒い夜に防寒着を着て寝ると詰めるものが減るので、その日の装備と相談しながら使う道具です。この違いが、ピロー選びでいちばん大きな分かれ目になります。

肌に当たる面の素材

Zpacks Inflatable Pillowは耐久性のある軽量ポリエステル、Cloud 9は肌当たりのよいTPU、Medium Pillow Dry Bagは内側片面に縫い付けたOctaフリースが顔に当たります。ポリエステル面が気になる場合、Zpacksはネックゲイターや予備のシャツを巻くと当たりが柔らかくなり暖かさも増すと案内しています。

マットへの固定

寝返りで枕だけがテントの隅に逃げていく、というのはエアーピローに共通する不満です。当店で扱う3型はいずれも固定用のコードが付いています。Cloud 9は着脱式のショックコードを本体両端のループに通してパッドに回す構造で、Zpacks Inflatable Pillowはスプリングフック付きのアタッチメントコード、Medium Pillow Dry BagはPillow Attachment Cordが付属します。Cloud 9はこれに加えて、パッドに向けて置く面にシリコンビーズが並び、就寝中に枕が過度に滑るのを抑えます。

ULピロー3型の比較表

モデル 方式 重量(当店実測) 使用時の寸法 収納時 肌に当たる面の素材 マットへの固定
Zpacks Inflatable Pillow 空気注入式 45.6g(本体41.8g+アタッチメントコード3.8g) 約25.4×35.6×9cm — ポリエステル(溶着シーム) アタッチメントコード(スプリングフック付き)
Enlightened Equipment Cloud 9 UL Pillow 空気注入式 101.3g(本体+着脱式ショックコード) 43×30×9cm 10×8cm TPU(反対面にシリコンビーズ) 着脱式ショックコード+シリコンビーズ面
Zpacks Medium Pillow Dry Bag 衣類を詰める(ドライバッグ兼用) 32.7g(本体のみ) 直径約15cm×高さ約30.5cm(膨らませた状態) 平置き約25×47cm Octaフリース(内側片面) Pillow Attachment Cord(付属)

「—」は商品ページに記載がない項目です。Cloud 9の重量にはスタッフサック(約6g)を含みません。Medium Pillow Dry Bagは容量約5.6Lのドライバッグで、衣類を詰めた状態の高さは詰める量で変わります。

Zpacks Inflatable PillowとCloud 9の違い

どちらも空気注入式で、マット固定用のコードが付き、バルブで高さを調整できる点は共通です。違いは重量・素材・形状の3つです。

重量は当店実測でコード込み45.6gと101.3gです。素材はZpacksが軽量ポリエステル、Cloud 9が肌当たりのよいTPUで、Cloud 9はパッドに向ける面にシリコンビーズが並びます。形状はZpacksが仰向けでも横向きでも頭が中央に収まる三日月型で約25.4×35.6×9cm、Cloud 9が頭と首を支える立体形状で43×30×9cmと一回り大きい枕です。

整理すると、Zpacks Inflatable Pillowは「枕の機能を最小の重量で確保する」道具で、Cloud 9は「肌当たりと滑りにくさに重量を使う」道具です。エアーピローが自分に合うか分からない段階なら軽いほうから、冷え込む時期の眠りを優先するならCloud 9という選び方がよさそうです。

Zpacks Inflatable Pillow|枕の機能を最小の重量で

Zpacks Inflatable Pillow インフレータブルピロー - アタッチメントコードを取り付けた状態の全体(公式画像) - 山道具とULギアのお店 Ascend Lite

当店実測で本体41.8g、アタッチメントコード3.8g、合計45.6gの空気注入式ピローです。息1〜2回で膨らみ、仰向けでも横向きでも頭が中央に収まる三日月型で、上面の溝状のバッフルが頭の形に沿って受け止めます。底面のフラットバルブで空気を少しずつ抜けるので、「パンパンだと首が痛い」という方は少し抜いて使うと落ち着きます。

生地は耐久性のある軽量ポリエステルで、縫い目は溶着です。アタッチメントコードはスプリングフックで締め具合を調整でき、フックを外せば枕にシャツやネックゲイターを被せられます。当店で扱うZpacks Neck Gaiter(当店実測32.1g)がちょうど被せられる大きさです。

エアーピローは「あると眠れる」と「なくても眠れる」で意見が割れる道具ですが、コード込みで45.6gなら試してみて合わなくても失う重量はわずかです。

Enlightened Equipment Cloud 9 UL Pillow|肌当たりと滑りにくさに重量を使う

Enlightened Equipment Cloud 9 UL Pillow ピロー 実物のシリコンビーズ面を上にした全体 - 着脱式ショックコードを取り付けた状態とクイックアジャストバルブ - 山道具とULギアのお店 Ascend Lite

キルト専業ブランドEnlightened Equipmentの空気注入式ピローです。当店実測101.3g(本体と着脱式ショックコードの合計)で、Zpacks Inflatable Pillowより重くなりますが、その分が素材と形状に使われています。

素材は肌当たりのよいTPUで、頭を乗せるオレンジ面の反対側にシリコンのビーズが並びます。このビーズ面をスリーピングパッドに向けて置くことで、就寝中に枕が過度に滑るのを抑えます。使用時は43×30×9cmと3型のなかでいちばん大きく、頭と首を支える立体形状です。収納時は10×8cmに畳めます。

クイックアジャストバルブは空気の量を簡単に調節でき、デフレーショントグルで意図しない空気漏れを防ぎます。着脱式のショックコードは本体両端のループに通してスリーピングパッドに回す構造で、パッドのサイズを問わず使え、フィールドで補修できます。

ULのパッキングでは枕を省き、着替えや防寒着を丸めて代用することが多いのですが、その方法だと防寒着を着て寝る冷え込んだ夜に枕がなくなります。100g前後で確実に枕を確保できる点は、寒い時期ほど効いてきます。

Zpacks Medium Pillow Dry Bag|専用ピローを持たずに済ませる

Zpacks Medium Pillow Dry Bag ミディアムピロードライバッグ - 裏返してOctaフリース面を外側にして平置きした全体の実物写真 - 山道具とULギアのお店 Ascend Lite

ブラックの1.0oz/sqyd Dyneema Composite Fabric(DCF)で作ったドライバッグの内側片面に、柔らかいOctaフリースを縫い付けたピロー兼用モデルです。日中は着替えや防寒着を守る防水スタッフサックとして働き、夜は裏返して予備の衣類を詰めれば、フリース面が肌に当たる枕になります。当店実測32.7g(本体のみ)、容量は約5.6Lです。

上部は止水ジッパーで閉じてからロールトップを巻く構造で、ジッパープルから空気が抜けるので荷物の下で平らに潰せます。縫い目はすべて防水テープ処理です。DCFのドライバッグをそのまま枕にしたときの「顔が滑る・音がする」という不満が、フリース面で解消されます。DCFという素材そのものについてはダイニーマ素材とはで解説しています。

注意したいのは、高さが詰める衣類の量で決まる点です。空気式のように寝てから抜いて調整することはできず、その日に着ていない衣類の量が枕の高さになります。5.6Lはダウンジャケットと予備の衣類がちょうど収まる容量で、当店のZpacks Dry Bag(約12〜24g)のうち衣類用に使っていた1つを、この32.7gに置き換える形になります。エアーピローの上に被せて、滑り止め兼カバーとして使う手もあります。

まとめ

ピローは「高さを空気で決めるか、衣類の量で決めるか」が分かれ目です。空気で決めるエアーピロー2つは、枕の機能を最小の重量で確保するZpacks Inflatable Pillow(当店実測45.6g)と、肌当たりと滑りにくさに重量を使うCloud 9(当店実測101.3g)という関係で、エアーピローが合うか分からない段階なら軽いほう、冷え込む時期の眠りを優先するならCloud 9がよさそうです。専用ピローを持ちたくない方には、ドライバッグと兼ねるMedium Pillow Dry Bag(当店実測32.7g)があります。どれを選んでもマットに固定するコードが付いているので、寝返りで枕が逃げる心配はしなくて済みます。

組み合わせるキルトは、Enigma vs Revelation Sleeping Quilt比較とEnlightened Equipmentの化繊(Climashield APEX)とダウンの違いで解説しています。

アウトドアアクセサリー一覧|Zpacks商品一覧|Enlightened Equipment商品一覧|キルト一覧

ブログに戻る